かつべぃ駐屯所

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2007/10/01(Mon)

友情の形様々だな

ちょうど去年の今ごろであったか、あの出来事があったのは・・・。
中学以来の友人、栄井 翔一が夜中に僕を呼び出した。もう秋も深まりだす頃だから寝間着では寒いと言って、いちいち長袖に着替えてから家を出たことを覚えている。


この栄井という男との思い出について、少し書かせていただこう。

彼との出会いは忘れもしない、中学に上がってまだ学校生活に緊張の抜けきれない6月の雨の日のことだった。
授業も終わり友人Aと帰路につくことにした。僕の下駄箱に何かが突っ込まれていた。
手紙だ。

『僕のことを知っていますか?僕はあまりあなたとは話したことがないけど、僕はあなたのことを毎日見ています。
入学してすぐに、鉛筆がなくて困っている僕にしゃーぺんを貸してくれました。
それから僕は好きでした、夢に出てきます。

結婚を前提にお付き合いしてください。
お返事待っています。

栄井 翔一』

「むむぅっ、恋文!栄井とやら・・・それは困る、ストーカーか!」
彼のことは知っていた、しかしそれだけだ。
その時怒っているのか困っているのか分からない顔をして、栄井 翔一がこちらにずんずんと向かってきた。

「へんたい趣味め!俺の愛が欲しいからってそういうのは困る!」
「お前が手紙を送ったんやろ!」
「えっ?」
「えって、ちがうん?」
「園田さんの下駄箱から、取り出したんじゃないの?」
誤解が解けて、彼が傘がないというので、一緒に帰ることにした。
その道中彼は「この傘は心の傘だね」とか、雨が強まってきたら「空は知ってるんだね」とか訳のわからないことを言いつづけたが、僕はなんと返事をしていたか覚えていない、きっとてきとうに返事をしていたのだろう。

それから、僕たちは 仲良し選手権優勝候補 というくらいの友情を築き上げていった。栄井のイニシャルがS.Sで僕がK.Kだから、「SK-Ⅱ」だとか言って桃井かおるさんを崇めたりもした。
馬鹿らしいが、当時はそれが至極の喜びであったらしい。
始終一緒にいるので「付き合っているんじゃないのか」という噂が立っていた、直接聞いてくるやつもいた、しかし僕たちの間柄はただただ親友であった。

後から知ったのだが、ラブレター事件の時に一緒にいた友人Aが事件の話をインフルエンザの様に撒き散らしていたらしい。しかも栄井は変に見栄を張るやつだから僕との関係を「友人などと、そんな簡単な言葉で計れる間柄ではない!」と豪語していたらしい。
その言葉は「ゲイ疑惑」の僕等の噂をより強めるものだった。

そんな栄井とも高校に上がると、全く関わりがなくなってしまった。栄井はよく分からないけど、カタカナの名前の学校に進んだらしいと言う噂だけで誰も行方を知るものがなかった。「アドレス変えました 栄井」というケータイメールだけが、彼が生きている証拠だった。


そんな栄井とその夜久しぶりに会った。

この男(?)・・・、やってくれる!!
彼は、女になっていた!!(たぶん)
彼女(たぶん)は再会の喜びに浸る隙も与えず、目に涙を浮かべて言うのだった
「やっぱり駄目!!」
彼女(たぶん)は真っ直ぐでさらさらなそのズラを自分の頭から、もぎ取った。
ズラが宙を舞って、木の枝にかかった。
そして男に戻った・・・。彼は言う。
「謝れ!ごめんなさいと言って頭を下げろ!・・・くそぅ!」といって彼(たぶん)が蹴り飛ばしたベンチは壊れてしまった。
ベンチを壊した怪力男(たぶん)が、不自然に高い声で語りだした。




とつぜん呼び出してすまなかった、そして醜態をさらしたことも謝っておこう。
俺が卒業と共にみんなの前から姿を消したのにも実はちゃんと理由があるのよ。急に呼び出したのはそれをちゃんと話したかったんだ。

私は中学を卒業してから高校なんて行っていないの。
気づいていなかったと思うけど、実は中学2年の終わりごろから私は自分が何者かわからなくなってきたの。それで、卒業式の夜に家出をしてそっちの世界に進んだの、だからこんな格好をしているの。

だけど何か壁にぶつかるとき必ずと言っていいほどにあなたが夢にでて「お前は男だろ!」という。その度に私は自分が何をしているか分からなくなったわ、それが悔しかった!
だからあなたに会おうと思った、あなたに会ってあなたの前でも女でいられたら、俺は本物の女だと言えると思った!

でも駄目だった、くそうぅ!!
謝れ!!
それか、俺と結婚しろ!!



栄井の中の女と男がかわるがわるに出てきて、最終的に男になった栄井が僕に結婚しろ!と怒鳴りつけてきた。
夜の公園に求婚の雄たけびだけが響いていた・・・。

「へんたい趣味め!俺の愛が欲しいからってそういうのは困る!」
とっさに僕の口をついて出た言葉は、栄井が僕にはじめて吐きつけた言葉だった。
そのとたん、僕の肩をがっしりつかんでいた彼(たぶん)の手がするりとはなれ「だな・・・」とだけ呟いて、彼(たぶん)は背中を向けて歩き出した。
栄井は背中で言った
「俺が使っている化粧水は、SK-Ⅱなんだぞ!!お前は何を使っている!?」
「僕は化粧水なんか使わない!」
「そんなやつには結婚していらない、さっきのは取り消しだ・・・ゆるせ!」
彼(たぶん)はまじめに言った。
僕は素直に喜んだ。

そのまま彼(たぶん)はヒールをカツカツと鳴らして走り去ってしまった。

その帰りに折れたヒールのかかとを見つけたので、家に帰って燃やした。
変な煙と臭いが出たので親に見つかってしばらくは息子は変態趣味なのだと思われていた。


そんなことがあってから、2週間ぐらいして彼(たぶん)からエアメールが届いて、なぜ外国からと思いながら封を切ると、立派な体格のオカマさん達の写真と手紙が入っていた。

その手紙は初めて会った日のラブレターとは違う事がかかれていた。
手紙いわく、やつはその後渡米して男でも女でもない道としていわゆるオカマウェイをひた走ると言う。
名づけて「オカマ留学」というのだそうな。
将来また日本に帰ってオカマバーを持つか、そのままアメリカンドリームを掴むのか悩んでいるらしい。


そんな事は勝手にやってくれればいい。最後に書かれていた事だけが、僕には重要だった。

『初めて君に言った言葉そっくりそのままで、俺は君に叱咤された。
見栄を張って意味のわからないこと言ってしまったが、あの瞬間に俺の中で眠っていた昔の俺が呼び覚まされたのだ。
君との友情は保たれた、ありがとう。』

ということだった。

それ以来、彼とは連絡は取っていないが、いつもどこかで繋がっているような気がするのだ。
きっとこれからもそうでありつづけるだろう。

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